里山に代表される
日本の原風景が急速に失われている
我が町でも、8月24日開業の
つくばエクスプレスの
沿線開発(区画整理事業)で
幼き頃、カブトムシやクワガタムシを
追い求めた雑木林や
ドジョウやメダカを捕った
田んぼや小川の多くがなくなった。
今やカエルやガチャガチャ(クツワムシ)
の合唱も聞くことはできなくなった。
一方で、そんな身近な自然の復元が、
ビオトープ作りという形で
地域の公園や
学校ですすめられている。
しかし、ビオトープとは、
野生の生き物たちのためのすみかであるから、
食事場所、隠れ家、繁殖地などの
全ての機能を兼ね備えていなければならない。。
ということは、ある程度の広さが必要であるし、
当然のことながら、人間が害虫とか雑草と忌み嫌う動植物もやってくるので、
人の都合ではなく、野生の生き物の都合によって庭が変化していくのである。
その意味では、狭い個人宅の庭に
ビオトープをそのまま取り入れることは広さ的にも困難であり、
家族・周辺住民の理解を得るのも難しいのが現実である。
でも、鉄道模型のレイアウト作りが自然のミニチュア作りであるように、
庭園鉄道においても、自然を何らかの形で取り入れたいと思うし、
私の心象風景を何とか具現化してみたいと思うのである。
平たく言えば、草花も楽しみたいが、
虫や小鳥のさえずりも聞いてみたいという贅沢な願望である。
そんなわけで、今まで日本庭園、イングリッシュガーデン、
自然風庭園、ナチュラルガーデン、ビオトープ、ビオガーデンなどに
関する本をいろいろと読みあさってみたが、
どれも自分の庭作りのヒントにはなったものの、
決定打に欠けるものであった。
そんな時、ふと目にとまった本が、
「小さなビオトープガーデン」(泉健司著・主婦の友社刊)である。
著者の説明によると、
ビオトープガーデンとは、野生の生き物たちのためのビオトープと、
人間がくつろぐための庭(ガーデン)の2つの機能を併せ持つというか、
ビオトープの機能の一部を取り入れた庭ということである。
つまり、ビオトープとは、
野生の生き物と人間が共存できる庭を実現するというわけである。
でも、これだけだと、ビオトープとどこが違うのか、
今までの庭作りとどこが違うかがピンとこないと思うが、
この本には、その部分が丁寧に解説されている。
この本を読んで私が共感できた点は、
以下の通りである。
「生息数の限られてきている野生植物を使用せず、
生態学的機能が同じ園芸植物で生態系を再構築する。」
産地不明の山野草が、万が一野生化してしまうと、
遺伝子汚染が進み、むしろ自然破壊を進めてしまう。
野生種を使う場合は、
その地域で個体数が十分あるものに限り、
むしろあえて斑入りなどの園芸品種を使うことで、
万が一、野生化した場合も取り除きやすくなる。 など
「ビオトープのように食事場所、隠れ家、繁殖地などの
全ての機能を取り入れるのではなく、
個人宅の限られた庭で実現できる条件を満たせばよい。」
各個人宅で個性的なビオトープガーデンを作れば、
街全体のレベルでは、多くのビオトープ機能をもつということ。
「身近な生物の中から、
個人の好き嫌いにある程度合ったものだけを呼び集めればよい。」
薬などを使わずに、
嫌な生き物が嫌う植物を植えたり、
嫌な生き物が天敵とする生き物が呼び集める方法
要するに、ビオトープガーデンとは、
今まで人間が独り占めしていたものを
ほんの少し野生の生き物にお裾分けしてあげることで、
意外と簡単に実現できるというわけである。
そして、ビオトープガーデンは、
個人レベルでも比較的容易にできる
小さな自然保護というわけである。
「小さなビオトープガーデン」という本は、
虫や小鳥が集まる自然にやさしい庭、
人と自然が共存できる庭に興味がある方々には、
オススメの1冊である。
最後に、この本の著者である
泉健司氏のホームページにも、
これからビオトープガーデンを
始めようという初心者に向けて
丁寧に解説がなされているのでご紹介しておく。
※ビオトープ
ビオトープ(biotope、biotop)はドイツで生まれた言葉で、
「ビオ(BIO)」は生命、「トープ(TOPE、TOP)」は場所をあらわすギリシャ語で、
この2つを組み合わせた造語が「ビオトープ」で、
「野生の生物のためのすみか、生息空間」という意味。
「小さなビオトープガーデン」の著者・泉健司氏のホームページ
「私のポケットビオトープ/MUZAC工房」
http://www.biotope-garden.com/
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